みなさん、こんにちは。
投資には、株式投資や債券投資など、多種多様な種類や方法がありますが、多すぎてややこしいですよね。
そこで今回は、日本の投資家に一般的な10種の投資・投機の種類や方法について、極力むずかしい単語を使わずに、2級FP技能士が解説させていただきます。
株式

株式とは、株式会社がお金を出資してくれた人(株主)に対して発行するものです。
株式投資とは、配当(インカムゲイン)や売買差益(キャピタルゲイン)を得るために、企業が発行する株式を売買することです。
株式の取引には、現物取引と信用取引の2つがあります。
現物取引
現物取引とは、取引所に上場している株式を証券口座資金の範囲内で売買する、株取引の基本となる取引です。
今では、日本株、アメリカ株、中国株は当たり前のこと、証券会社によってはその他アジア株(韓国、ベトナムなど)も購入できます。
現物取引の特徴は、
- 株価の値上がりを期待できる
- 配当金を受け取れる
- 株主優待を受け取れる(日本株のみ)
- 企業に対する議決権がある ※
- 株価が値下がりや、企業の経営破綻で投資資金を失う可能性がある。
などがあります。
※ 国内証券会社で海外株を保有している場合は、保有者名義は証券会社になるため、個人で議決権行使はできません。
信用取引
信用取引とは、一定の保証金(委託保証金)を証券会社に担保として預け、保証金の最大約3.3倍までの株式売買をする取引です。
2021年7月現在、外国株式の信用取引はされていません。
(参考:日経新聞 金融庁、外国株の信用取引 22年解禁へルールを整備)
信用取引の特徴は、
- レバレッジをかけられる
- 買いからも売りからも売買できる
- 買いの場合は、配当落調整金を受け取れる。
- 売りの場合、配当落調整金を支払わなければいけない。
- 株主優待は受け取れない。
- 企業に対する議決権はない
- 売買手数料の他に、金利や貸株料などのコストがかかる。
などがあります。
債券

債券とは、国や企業が投資家からお金を借りるために発行するものです。
債券投資とは、満期になったら貸したお金を返してもらうことを前提とされている債券を、利子(インカムゲイン)や、売買差益(キャピタルゲイン)を得るために売買することです。
債券投資の特徴は、
- 利子を受け取れる
- 元本が額面通り返済される可能性が高い(ローリスク・ローリターン)
- 発行元が破綻した場合、投資資金を失う
- 債券市場で売買できる
主な債券には、
- 国債(ソブリン債、ハイイールド債、エマージング債)
- 社債
- モーゲージ債
などがあります。
投資信託

投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金を資産運用のプロが株や債券などの金融商品に投資し、利益を投資家に還元する商品です。
投資信託の特徴は、
- プロに運用を任せる
- 少額から投資できる
- 分散投資できる
- 上場していない
- 信託手数料、信託報酬等のコストが比較的に高い
投資信託には、
- 株価指数(グローバル、国内、アメリカ、中国、新興国)
- 株式型(国内、海外)
- 債券型(国内、海外)
- 不動産型(国内、海外)
- コモディティ
- 特殊型
などがあります。
つみたてNISAやiDeCoの運用商品の1つでもある投資信託ですが、さらなる詳細については下記の記事でシェアしていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
ETF(上場投資信託)

ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、証券取引所で株式と同じように取引される投資信託です。
ETFは投資信託と似ていますが、証券取引所への上場の有無が大きな違いです。
ETFの特徴は、
- 上場しているので、現物株のように売買できる
- 少額から投資できる
- 分散投資できる
- 信託手数料、信託報酬等のコストが安い
ETFの主な取扱銘柄は、
- 株価指数(グローバル、国内、アメリカ、中国、新興国)
- 債券
- REIT
- コモディティ(金、原油、とうもろこしなど)
などがあります。
暗号資産(仮想通貨)

暗号資産(仮想通貨)とは、ネット上でやり取りできる財産的価値があり、下記に当てはまるものをいいます。
- 相手を問わず代金の支払いに使える。
- 円やドルなど(法定通貨)と相互に交換できる。
- 電子的に記録され、移転できる。
- 法定通貨や法定通貨建ての資産ではない
暗号資産取引の特徴は、
- 交換所や取引所(暗号資産交換業者)で、24時間365日取引できる。
- 国内の暗号資産交換業者は、金融庁・財務局の登録を受けている。
- 裏付け資産がなく、価格が大きく変動しやすい。
- 現物取引の場合、実際に暗号資産を購入、または保有する暗号資産を売却できる。
- レバレッジ取引の場合、実際に暗号資産を購入せずに、FXのような証拠金取引をする。
※FXについては後述します。
暗号資産には、
- ビットコイン
- イーサリアム
- アルト(オルト)コイン(ビットコイン以外の暗号資産。草コイン含む)
などがあります。
先物取引

先物取引とは、ある商品を未来の決められた日に、現時点での価格と数量で売買することを約束する取引です。
先物取引の特徴は、
- 取引期限が決まっている(期限になれば自動決済)
- レバレッジをかけられる(証拠金が必要)
- 買いからも売りからも売買できる
先物取引の主な取扱銘柄は、
- 株価指数(日経225、S&P500など)
- 国債
- 通貨
- 金利
- コモディティ(金、原油、とうもろこしなど)
などがあります。
CFD

CFDとは、Contract For Differenceの略で、日本語では差金決済取引と言います。
上述のレバレッジをかけて取引する先物取引と似ていて、ある商品の現物の売買をせずに、証拠金を担保にレバレッジをかけて銘柄を取引するものです。
CFDの特徴は、
- レバレッジをかけられる(証拠金が必要)
- 買いからも売りからも売買できる
- ほぼ24時間取引できる(取引銘柄による&週末を除く)
- 金利調整金額、価格調整額が発生する
CFDで取引ができる主な銘柄は、
- 個別株(日本株、アメリカ株など)
- 株価指数(日経225、S&P500など)
- コモディティ(金、原油、とうもろこしなど)
- REIT(グローバル、アメリカなど)
などがあります(証券会社によって異なります)。
なお、くりっく株365は東京金融取引所に上場している証拠金取引で、CFDの1つといえます。
FX(外国為替証拠金取引)

FXとは、Foreign Exchangeの略で、本来は外国為替取引という意味です。
現在では、FX(外国為替証拠金取引)とは、為替レートの変動を利用した差益を目的にした取引として広く使われています。なお、FXはCFDの1つです。
FXの特徴は、
- レバレッジをかけられる(証拠金が必要)
- 買いからも売りからも売買できる
- 24時間取引できる(週末を除く)
- スワップポイントが発生する
FXでは通貨ペアを選択して取引をしますが、主な通貨ペアは、
- ドルストレート(米ドルとの組み合わせ)
- クロス円(円との組み合わせ)
- ユーロクロス(ユーロとの組み合わせ)
などがあります。
下記の記事のほか、その他FX関連の記事も是非ご参考ください。
オプション取引

オプション取引とは、ある商品を未来の決められた日に、現時点での価格と数量で取引する権利(オプション)を売買する取引です。
オプションには4つの取引があり、
- コールオプション(買う権利)の買い
- コールオプション(買う権利)の売り
- プットオプション(売る権利)の買い
- プットオプション(売る権利)の売り
オプション取引の特徴は、
- 取引期限が決まっている(権利行使期間)
- オプションの買いは、損失が限定される(オプション料のみ)
- オプションの売りは、損失が無限大(リスク管理必須)
- 売り手は証拠金が必要
- リスクヘッジできる
オプション取引の日本での主な取扱銘柄は、
- 日経225オプション
- TOPIXオプション
などがあります。
バイナリーオプション

バイナリーオプション(BO)とは、ある商品の未来の価格が、設定された目標価格より高いか安いかを予測する金融商品です。
特徴は、
- 二者択一なので、シンプルで簡単
- 損失はオプション購入料に限定される(リスク管理しやすい)
- 丁半博打になりやすい
バイナリーオプションの取り扱い銘柄は、
- FX
- 株価指数
- コモディティ
などがあります(証券会社によって異なります)。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は数ある投資・投機の種類や取引方法などから、日本の個人投資家に一般的なものをピックアップしました。
また、この記事では、概略をざっくり把握してもらえるよう、詳細の説明は省略しました。
今回ピックアップしたものは、
- 株式(現物取引、信用取引)
- 債券
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- 暗号資産(仮想通貨)
- 先物取引
- CFD
- FX(外国為替証拠金取引)
- オプション取引
- バイナリーオプション
の10種でした。
全ての詳細を把握し実際に運用するには、時間をかけて経験していく必要があるため、興味のある投資・投機方法に焦点をあてて深掘りしていくと、楽しんで学べると思います。
是非参考にしてみてください。