みなさん、こんにちは。
投資・投機を始めると、多かれ少なかれ何かしらの勉強をしていると思われますが、どんな勉強をしていますか?
恐らく多くの人は、テクニカル分析の勉強をしていると思います。しかし、長期にわたり投資や投機で利益を出していくためには、テクニカル分析だけでは非常に危険です。
そこで今回は、投資・投機をするうえで最も重要なことを、株式投資・FXトレード歴10年超の専業トレーダーが、微力ながら解説させていただきます。
簡易なテクニカル分析では、勝てるようにならない

最近ネット界隈では、ごく簡単なチャート分析を解説しているものを多く見かけます。
例えば、ダブルボトム(ダブルトップ)、ヘッドアンドショルダーズ(トップ・ボトム ※三尊、逆三尊とも呼ばれます)などの、フォーメーション分析が多いです。
投資・投機初心者からすると、これをチャート上で見つけられれば稼げるようになると、まるで聖杯を見つけたような気になるかもしれません。
甘すぎです(笑)
この程度のテクニカル分析は基礎中の基礎、マーケットに参加する者であれば全員が知っていて当たり前のレベルです。
むしろ、だましとなることもあるということは、投資・投機経験のある人であれば誰でも知っています。
それを知らずに、「絶好のチャンス!ここは全力でエントリーだ!」などと言っていると、マーケットに瞬殺されます。
ここで本題。
では、テクニカル分析よりも大事なことってなんなのでしょうか?
一にも二にも資金管理
投資・投機の世界で最も重要なことは、一にも二にも資金管理です。
資金管理?全然面白くなさそうですよね(笑)
さらに、お金の計算とか管理って面倒ですよね。
ドラゴンボール 巻十九
戦闘民族サイヤ人が戦いを好むように、投資家・投機家ならば金を稼ぐことを好むものです。
チャートを分析している方がよっぽど楽しいし、思い通りに相場が動いた時には興奮を隠し切れないですよね。資金管理なんてバカバカしい、派手に稼いでやるぜ!という気持ちもわかります。
しかし、マーケットという戦場で生き残るためには、資金管理が必要不可欠です。
資金管理は、自分の身を守るもの
子どもの時、はじめて自転車を漕ぐ練習をした時は、補助輪をつけたはずです。ヘルメットやひざあてをつけた方もいるかもしれません。
補助輪をつけるのは、自転車を漕ぐ動作に慣れるまで転ばないようにするため。ヘルメットやひざあては、転んだ時に大けがをしないためですね。
また、男性であれば学校の体育の授業で柔道をしたかもしれません。この際、いきなり背負い投げや1本背負いのやり方は教えてもらえません。くそつまらない受け身をやらなければいけません。
はじめに受け身を練習する理由は、投げられた時に大けがをしないように、自分の身を守るためですね。
投資や投機も同じです。
自分の身は自分で守らなければいけません。その方法が資金管理なのです。
マーケットでは何が起こるかわかりません。
例えば、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ、2011年3月11日に発生した東日本大震災などは、誰もが予想できなかった出来事で、マーケットは大混乱になり投資・投機で大損した人が続出しました。
このような有事の事態が起きることを想定すると、資金管理を徹底する重要性がイメージしやすいでしょう。
資金管理の方法
では、どのようにして資金管理を行えばよいでしょうか。
資金管理には、大きく分けて2つあります。
資産配分

アセットアロケーションとも言います。
投資や投機は余裕資金で運用するのが鉄則ですが、まずは、その余裕資金のどのくらいの金額を投資に回すのかというところから始まります。
万が一の時のために現金を残しておくことも必要でしょうし、資産家の方であれば一部の資産を不動産として所有することもあるでしょう。
また、年齢や家族構成、これからのライフプランなどでも資産配分は大きく変わってくるので、ご自身の許容範囲内で投資資金を決めます。
次に、その投資資金の中から、どのくらいの金額をどの金融商品に充てるのかといったことを決めます。
例えば、現物株に50%、FXの証拠金に50%だったり、現物株の中でも、日本株50%、アメリカ株50%などと決めていきます。
そして、現物株であれば、その投資資金の何%を特定銘柄に割り当てるのかといったことを考えていきます。
例えば、株式投資資金100%に対し、A株に20%、B株に30%、C・D株にはそれぞれ25%などと配分します。
損切り

ストップロスとも言います。
現物株であれば、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を行って、今後株価が上昇しそうな銘柄を選定します。
FXなどでも同様で、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析を行い、上昇または下落の可能性の高い通貨ペアを選定します。
しかし、必ずしも想定通りにいかないのが投資・投機の世界です。
事前に想定した自分のシナリオ通りに事が運ばなかった場合、含み損を抱えた状態でマーケットから撤退する(損切り)必要があります。
でも、損なんかしたくないですよね?
しかし、下記のようなことが起きたらどうでしょう?
現物株であれば、投資している企業の経営環境が大きく変わり、今後は時代の大きな流れの逆風に苛まれるかもしれません(例:アフターコロナで世の中が変わる)。
FXなどでは、各国中央銀行の金融政策などの変更で、大きな流れが変わることがあります(例:アベノミクスで大規模金融緩和)。
このような時代の大きな潮目の変化が起きた場合、損をしてでも一度撤退し、限られた投資資金を守らなければいけません。
損切りをすれば、新たな投資先に再投資することができますが、損切りできなければ投資資金を運用することができなくなったり、最悪の場合、投資資金を全て失うことになります。
ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスなど、百戦錬磨のビリオネアも損切りをします。
そんな投資・投機の達人が損切りをするのに、我ら一般庶民が損切りせずにマーケットという戦場で生き残れるはずがありません。
とくに、レバレッジをかけてトレードをする先物取引や信用取引では、損切りをしないと確実に破滅の道を辿りますので絶対に損切りしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
投資家・投機家であれば、テクニカル分析などに精を出し、金を稼ぐことに注力したいものですが、まずは大事な投資資金を守る資金管理が最重要です。
資金管理には大きく分けて2つあり、どのくらいの資金を投資に回し、どれだけの金額をどの金融商品に割り当てるかといった資産配分(アセットアロケーション)と、事前に想定したシナリオ通りにいかなかった場合に撤退をするための損切り(ストップロス)があります。
大事なことなので繰り返しますが、長期的に投資・投機の世界で稼ぎたいのであれば、このような資金管理が最も重要なので、一にも二にも資金管理を徹底するようにしましょう。