みなさん、こんにちは。
海外旅行をするほとんどの方が「お得に外貨両替したい」と考えていることでしょう。その反面、為替レートや手数料等を考えるのは面倒と言う方も多いのではないでしょうか。
外貨両替のお得な方法を検索した方は、一度は目にしたことがあるかもしれません。
外貨両替に定評のある「マネパカード」
しかし、発行元のマネーパートナーズ (以下マネパ)のwebサイトは良いことしか謳っていないのではないだろうか?また、為替レートや外貨両替に苦手意識がある方にとっては、そもそも難しい話かもしれません。
そこで今回は、実際に私がマネパカードを利用&検証し、外貨両替や海外旅行に適しているのか否か、また一番お得な使用方法を、外貨両替に苦手意識のある方にもわかりやすいようにまとめてシェアいたします。
マネパカードとは
マネパカードはプリペイドカードで、事前に現金をカードに入金して使用するもので、クレジットカードとは異なります。
少し乱暴ですが、SuicaやICOCAなどと同じようなものと考えればわかりやすいでしょう。
マネパカードの特徴
日本円をはじめ、米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル、香港ドルの6通貨を入金して使用できるプリペイドカードです。
マネパカードを上記外貨の支払いで使用する場合、事前にマネパwebサイト上で外貨両替が必要になります。その外貨両替には、「FX口座経由」と「マネパカード口座経由」の2つの外貨両替方法があります。
「FX口座経由」は、マネパカード口座とFX口座の2つを開設する必要がありますが、「マネパカード口座経由」よりも有利な為替レートで外貨両替することができます。
「マネパカード口座経由」は、マネパカード口座開設のみで利用できますが、「FX口座経由」と比べると為替レートはそれほど優遇されていません(後述)
※なお、渡航先にてATMで現地通貨の引き出しも可能ですが、手数料等を考慮するとお得な方法とは言えないので、本記事では説明を省略します。
マネパカードの使い方
使用方法は至極簡単。
Mastercard対応店で、クレジットカードと同じように使うだけ。日本国内・海外問わず、Mastercard取扱店であれば、世界各国どこでも使用できます。
マネパカードのメリット・デメリット
マネパカードが6通貨対応の使い方簡単なプリペイドカードだということは、ご理解いただけたと思います。
では、次にマネパカードのメリットとデメリットを、実際にマネパカードを使用し検証しました。
メリット
① 「FX口座経由」で外貨両替するのであれば、最もお得な為替レートで外貨両替できる
➁ 国内で円決済する場合のみ、キャッシュバックポイントあり
デメリット
① 「マネパカード口座経由」で外貨両替する場合、外貨両替為替レートはそれほど良くない
➁ プリペイドカードのため、事前に入金した分しか支払いできない
為替レート
マネパカード利用時の為替レートは本当にお得なのか、その他外貨両替方法の為替レートと比較検証してみましょう。
この際注目すべき点は単純に、”両替為替レート”、クレジットカード使用時は”換算レート”を見ればOK。
「為替手数料」や「海外事務手数料」など、いわゆる外貨両替コストの類は上記為替レートに既に含まれているため、小難しいことは考える必要ありません。
私が実際にマネパFX口座経由で外貨両替した、以下の条件で検証します。
通貨:ユーロ
日時:2017年10月27日
リアルタイム為替レート:1EUR=132.265円
※リアルタイム為替レート:今現在外国為替市場で取引されている為替レート
マネパFX口座経由
少し見づらいですが、下のスクリーンショットの備考欄に”EUR/JPY600@132.465”という記載があります。これは1EUR=132.465円で600EURに外貨両替したということを表しています。
つまり、この場合の両替為替レートは、1EUR=132.465円となります。
マネパカード口座経由
マネパカード口座経由の外貨両替為替レートは、ユーロであればリアルタイム為替レートに約1円を上乗せた金額になります。マネパFX口座経由の両替と比較すると、約80銭割高になります。
リアルタイム為替レートは1EUR=132.265円ですので、マネパカード口座経由で外貨両替した場合は、1EUR≒133.265円となります。
なお、各通貨によってリアルタイム為替レートに上乗せされる金額(コスト)は異なってきます(詳細は後述)。
銀行(三菱東京UFJ銀行)
三大メガバンクグループの一角、MUFGの2017年10月27日の両替為替レートは下のようになります。
円からユーロに両替する場合の為替rateは、1EUR=136.73円となります。
MUFG両替為替レート:http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/tvl_check.html
クレジットカード(VISA)
クレジットカードの代表格、VISAの外貨両替為替レートはどうでしょうか。上述した通り、クレジットカードの場合は”換算レート”に着目すればokです。
同日のVISA換算レートは下のスクリーンショットの通り、1EUR=136.685円となります。
なお、VISA換算レートの内訳は下記のようになります。
VISA換算レート = クレジットカード会社の交換レート + 両替コスト(約1.6~2%)
また、今回の検証では両替コストを、三井住友カードや楽天カードで適用されている1.63%で計算しています。
VISA換算レート:https://www.visaeurope.com/making-payments/exchange-rates
まとめると
これら4つの両替方法を比較すると、
FX口座経由 | マネパカード口座経由 | MUFG | VISA |
132.465円 | 133.265円 | 136.73円 | 136.685円 |
たしかに、マネパFX口座経由での両替為替レートは、一番お得と言えそうです。
その他通貨の両替為替レートを、両替コストで比較検証
上記両替為替レートはユーロで比較しましたが、その他通貨もざっくりと調べてみましょう。
両替為替レート(換算レート)= リアルタイム為替レート + 両替コストですので、両替コストに注目すればおのずとどの両替方法がお得か見えてきます。
下図は、日本円から米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル、香港ドルに両替時の両替コストをまとめたものです。
FX口座経由 | マネパカード口座経由 | MUFG | VISA | |
米ドル | 一律20銭 | 80銭 | 約2.5~3円 | 約2~2.7円 |
ユーロ | 1円 | 約3.5~4.5円 | 約2.8~4.5円 | |
ポンド | 1.3円 | 約11.8~12円 | 約2.5~4.8円 | |
豪ドル | 70銭 | 約9.4~9.8円 | 約1.7~2.6円 | |
香港ドル | 30銭 | 約2.4円 | 約25~32銭 |
※MUFGとVISAのコストは、3営業日の価格レンジを提示。
香港ドルは各両替方法の両替コストの差は小さいですが、その他通貨、特にポンドと豪ドルは両替方法によって両替コストの差は大きく異なります。
例えば、リアルタイム為替レートが1豪ドル=100円の場合、FX口座経由の両替為替レートは100.2円(100円+両替コスト20銭)となりますが、銀行(MUFG)だと約109.5円前後(100円+両替コスト9.5円)となります。
仮に10万円を豪ドルに両替した場合、FX口座経由だと998豪ドル、銀行での両替だと913.24豪ドルになります。その差は84.76豪ドルとなり、日本円にして8,476円も違ってきます。
為替レートの検証結果
実際のユーロへ両替時の為替レートや各両替コストで比較してみても、マネパFX口座経由での外貨両替は最もお得と言えます。
とくに、マネパの別サービス”外貨空港受取サービス”に適用されていない豪ドル、香港ドルであれば、マネパカード利用時の恩恵は高いでしょう。
【空港受取サービス詳細記事】
利便性
マネパカードの利便性も検証してみましょう。現金、クレジットカード、マネパカードの3つで比較します。
現金
いつでもどこでも使える現金は、最も利便性が高いと言えます。とくに10ドル~20ドル(ユーロ、ポンド等も同様)程度の小額紙幣や硬貨は最強です。
日本と違い、海外では高額紙幣が使用できない場所も多々あり、また、お釣りがないなどの理由で支払い拒否をされることもしばしばですが、小額紙幣や硬貨はどこでも使えて万能です。
余談ですが、日本では厄介者扱い、もはや存在を忘れ去られていると言っても過言ではない二千円札ですが、海外では20ドルや20ユーロなどほぼ同等価値に値する紙幣は、非常に便利で財布に入れておきたい紙幣です。
クレジットカード
クレジットカードは、ローカルレストランやバスなどの公共の交通機関利用時には使用できないことも多いため、現金と比べると決済手段としてはやや利便性が劣ります。
また、USAやカナダ等チップ文化の国では、クレジットカード取り扱いのレストランなどではカード払いできますが、その他の場合はやはり現金は必要です。
ただしクレジットカードであれば、大量の現金所持が不要で、外貨が余った際も帰国前に日本円への再両替が不要、海外旅行保険付帯のものもあるので決済手段以外での利便性があります。
また、クレジットカード独自のポイント等が溜まるなどの特典も見過ごせません。
つまり、支払い決済としては、現金には劣るものの、大金所持不要、日本円への再両替不要、海外旅行保険付帯といった利便性があります。
マネパカード
決済手段としての使い勝手という点では、クレジットカードと同様現金には劣ります。
プリペイドカードという性質上、事前にカードに現金を入金しておく必要があったり、カード内の残額が不足している場合は、現金を補填するまで支払不可となるなど、何かと不便さを感じることがあります。
また、マネパカードには海外旅行保険は付帯しておりませんので、この点の利便性はクレジットカードと比べると少々劣ります。
利便性の検証結果
これらを考慮するとマネパカードは、現金、クレジットカードと比較すると、支払決済能力、事前入金の手間、海外旅行保険付帯なしといった点で利便性が劣ると言えます。
Conclusion
これまでの為替レートと利便性の検証結果から、マネパカードは以下の4条件を満たせば利用価値があると言えます。
① マネパのFX口座を開設し、FX口座経由で外貨両替
② 米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル、香港ドルの5通貨のみで使用
➂ 現金、クレジットカードと併用して利用
④ 海外ATMは利用しない
マネパカード作成、FX口座開設・維持は無料ですので、興味がある方やどうしようか迷っている方は、物は試しで一度利用してみると良いでしょう。