みなさん、こんにちは。
世界の大多数の方が何かしらの宗教を信仰しているということはご存知でしょうか?
日本では無神論者という方が多かったり、宗教に対してネガティブなイメージを持つ方も少なくないので、想像しづらいかもしれません。
そんな我々日本人も、海外留学などで海外生活を送ると、日本で生活していては意識することがあまりない、リアルな宗教を知ることができます。
そこで今回は、私のオーストラリア、カナダ留学中の体験談も交えた、宗教についてシェアいたします。
キリスト教
キリスト教はイエスをキリスト(救世主)と信じる一世紀に成立した宗教で、旧約聖書(ユダヤ教ではヘブライ聖書)と新約聖書を聖典としています。
宗派は多岐にわたりますが、ローマ・カトリック、プロテスタント、東方正教会などに大きく分けられます。
私はオーストラリア留学時に、熱心なカトリックのホストファミリーと半年以上一緒に過ごしたので、まずはその時の体験談をシェアいたします。
お祈り
ディナーの前には、みんなでお祈りをします。
ホストファーザーが代表して十字を切りながらお祈りをし、ホストマザーと僕らホームステイしている生徒は、それを聞きながら黙とうします。
お祈りが終わると、僕らはそれぞれの母国語で「いただきます」と言い、ご飯を食べ始めるというのがルーティンでした。なお、お祈り中に手を合わせたり、全員で手をつないだりということはありませんでした。
また、外出時にもお祈りをします。玄関には聖水が入った小さな台があり、指を聖水に浸してから十字を切ってお祈りをして外出します。
日曜日は教会へ
ホストマザーはとくに熱心なカトリックなので、毎週日曜日は教会へ通っていました。
ただし、ホストファーザーは通ってはいなかったので、この点は同じ家族でも個々人によって違うようです。
Oh My Godとは言わない
熱心なクリスチャンは、”Oh my God!”とは言いません。軽々しく”God”と呼ぶのは、いわゆる神への冒涜にあたるからです。
その代わりに、”Oh my goodness”や”Oh my gosh”と言うのよ、とホストマザーが教えてくれました。
日本人は安易に”Oh my God”と言いがちですが(私もそうでした)、クリスチャンの習わしや振る舞いを実際に知ることで、自然と”Oh my goodness”や”Oh my gosh”と言うようになります。
カトリックとプロテスタントの違いってなに?
キリスト教の主な宗派、カトリックとプロテスタントについても知っておきましょう。
カトリックとプロテスタントの歴史概要
おおまかに説明しますと、イエスの死後にイエスの弟子たちの活動が起源となってキリスト教が広がりました。その後、キリスト教は、西はローマ・カトリック(カトリック)、東は東方正教会と東西に分裂します。
16世紀になると、当時のローマ・カトリックには善行として寄付が集まったり、聖職者たちが絶対的な権力を握っていたことで、汚職や不正も横行していました。
その腐敗してしまったローマ・カトリック教会の改革のために活動した、ドイツの司祭(神父)マルティン・ルターの主張から派生した宗派がプロテスタントです。この改革がいわゆる宗教改革です。
教会の違い
まずわかりやすいところで、カトリックとプロテスタントでは教会のつくりが違います。
上の画像は教会の外観です。
左の画像は、フランス・ストラスブールのノートルダム大聖堂。
右の画像は、ドイツ・ハイデルベルクの聖霊教会。
下の画像はそれぞれの内観です。
何が違うかはもうおわかりですね(ノートルダム大聖堂の内観が、暗くてわかりづらいのはご勘弁)。
簡単に言ってしまうと、カトリック教会はゴージャス、プロテスタント教会はシンプルです。
私たち日本人がイメージするステンドグラス、イエスや聖母マリアの絵画や像がある教会は、カトリック教会なんですね。
考え方の違い
カトリックは、どんな罪人でも寄付やボランティア、巡礼などの「善行」を積めば救われると考えます。
それに対しプロテスタントは、どんな罪人も「信仰」で救われると考えます。
プロテスタントの考えは、聖書を読み、神について考え、神と人が一対一で向き合うのが本来の姿ではないかという、ルターの主張が背景にあります。
カトリックは神父、プロテスタントは牧師
カトリックでは、宣教活動やキリスト教徒の世話をする人を神父(司祭)と呼びます。神父は男性でなければならず、また、その一生を神と人に捧げるという目的のため、生涯独身で過ごします。
プロテスタントでは、宣教活動や礼拝、説教を行う人を牧師と呼びます。牧師は結婚が許されており、女性の牧師も存在します。
なお、”I have a dream.”の演説で有名なマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師は、プロテスタントだということがわかりますね。
今回の記事を書くにあたり上の書籍で勉強しましたが、世界の宗教の基本を学ぶ上で非常におすすめの一冊です。
公私問わずグローバルな活動をするには、英語などの言語だけではなく、宗教などの教養も必要不可欠です。興味のある方は、是非手に取ってみてください。
イスラム教
イスラム教は、全知全能の唯一神を信じ、預言者ムハンマドが神の啓示を受けた七世紀に始まった宗教。
実は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、旧約聖書をルーツとする一神教ですが、ムハンマドが語ったことを後継者がまとめたクルアーン(コーラン)を聖典としています。
最近では日本でも多く見かけるようになったムスリム(イスラム教徒)の方ですが、イスラム教に関しては日本人にとって馴染みが薄いと思われます。
オーストラリア&カナダ留学、旅を通して、実際に見て聞いたイスラム文化をシェアいたします。
食事
ムスリムの方々は豚肉を食べないのは、みなさんご存知ですね。アルコールも禁止です。
私はカナダ留学時にもホームステイをしていたのですが、一時サウジアラビア出身のムスリム(独身男性)のシェアメイトと一緒に暮らしました。
やはり、彼は豚肉は食べられないので、ホストファミリーも食事にポークが使われているものがあれば、チキンなどの違う肉を使った料理を、彼のために必ず用意していました。
また、インターンシップ先のマネージャーがトルコ出身のムスリム(既婚女性)でしたが、彼女も豚肉は食べられないからと、食事の際は必ず料理にポークが入っていないかを確認していました。
ただし、シェアメイトの彼は、お酒は少し飲んでいました(笑)海外に来ると、羽目を外してお酒を口にしてしまうムスリム男性は一部いるようです。
礼拝(サラート)
こちらもご存知の方が多いと思われますが、ムスリムの方はメッカの方向に向かって礼拝(サラート)をします。
イスラム教の聖典コーランにより、礼拝は未明、昼、日没前、日没後、夜の5回と規定されていますが、時間に関してはそれほど厳格ではないようです。
私が知る限り、ムスリムの友人知人が礼拝で席を外すところは見たことがありません。
礼拝の時間になると、モスクからアザーンという礼拝の合図が街中になされます。上の動画は、実際にトルコのイスタンブール市内に流れるアザーンです。
初めは慣れないアザーンが流れるたびに、イスラム圏を訪れてるんだなと感じましたが、何日も滞在すると次第に慣れてくるので何だか不思議です。
服装
ムスリムの服装は男女ともにとても特徴的ですね。
とくに、女性は顔と手以外は、無暗に家族以外の男性に見せてはいけないという教えがありますが、国や地域によって習わしがだいぶ違うため、様々な服装があります。
代表的なムスリム女性の服装をまとめてみましょう。
ヒジャブ
ヒジャブはスカーフのような布で髪や首など顔以外の部分を覆うもの。イスラム圏の広い範囲で見られる、最も一般的なムスリム女性の服装。
色、生地、巻き方には決まりがないので、おしゃれの一環でファッショナブルに着こなすムスリム女子も多いようです。
チャドル
チャドルは1枚の布で、体全体を覆う服装。イランの女性が公式の場で身に付ける衣装です。
ニカブ
目だけを出して顔を覆う布をニカブと言います。
サウジアラビアなどで着られていることが多く、かなり保守的なムスリム女性が身に付けます。
ブルカ
体を丸々覆い隠す服装をブルカといい、目の部分がメッシュになっていて外が見えるようになっています。
主に、アフガニスタン、パキスタンなど一部の地域の、保守的な高齢の女性が身に纏うことが多いです。
なお、上述のインターン先のトルコ人マネージャーは、ヒジャブなどのムスリム特有の服装は身に着けてなく、我々ムスリム以外の人たちと同じような服装でした。
トルコへ旅をした際も、ヒジャブなどを身に付けている女性はあまり見かけなかったので、国や地域によって様々ですね。
Conclusion
いかがでしたでしょうか?
今回はキリスト教とイスラム教について、私の実際の経験も交えて簡単にまとめてみました。
海外生活を送ると、日本ではあまり馴染みのない、クリスチャンやムスリムの方と生活や仕事をする機会も多くなります。
語学だけではなく、世界の宗教を学ぶことで、彼ら彼女らをより深く理解することができますし、より良い関係を築けます。
また、様々な宗教の基本的なことを知っておくと、海外旅行をする際もより違った視点で現地の文化を感じることができます。
英語などの語学を勉強している方、海外留学を考えている方、旅好きの方は、是非世界の宗教についても学んでみてください。