みなさん、こんにちは。
ワーキングホリデー制度などを利用して海外留学中、または計画中のみなさんの多くは、語学習得が目的ではないでしょうか。そしてその中には、将来は英語を使う仕事をしたい、海外で働きたい、国を問わず国籍を問わずグローバルな仕事をしたいと考えている方も多いことでしょう。
しかし、ここで1つ警告させていただきたい。
現実はそう甘くない!!!
なんとなく語学留学をして帰国したは良いが、大した英語力も身につかず、思い描いたような英語を使う環境に身を置くことができずに、それらを諦めなければならなかった方々が大勢います。厳しい言い方をすると、この世は弱肉強食であり、力無き者は力ある者に喰われてしまうのです。
しかし、過度に心配することはありません。現実を知り、周りのライバルを知り、自分自身を理解し行動すれば、必ず理想は現実となります。そのことに今日気付けたあなたはラッキーです。
そこで今回は、私のこれまでのワーホリ経験をシェアいたします。
ライバルを知る
あなたのまわりにどれほどのツワモノがいるのか分析してみましょう。
日本人留学生
まずは毎年何人の日本人が海外に留学を目的に渡航しているか見ていきましょう。
大学等への留学者数
2020年4月に文科省より発表された2018年のデータを参考に分析してみましょう。
独立行政法人日本学生支援機構が実施している「協定等に基づく日本人学生留学状況調査」によると、大学等が把握している日本人学生の海外留学状況は、2018年の留学者数は115,146人になります。
そのうち英語圏(USA, カナダ、オーストラリア、イギリス、フィリピン)への留学者数は51,004人と44.3%となります(参考:「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について)。
ワーキングホリデービザによる渡航者数
次に、毎年ワーキングホリデーを利用した語学留学生がどのくらいいるか見てみましょう。下表はワーホリ留学先(英語圏)の主要5カ国の留学者数をまとめたものです。
ワーホリ留学者数 | 参考 | |
オーストラリア | 11,933人 ※セカンドワーホリ2,082人含む | 2018/7/1~2019/6/30の ワーホリビザ申請数 |
ニュージーランド | 2,000人前後 | 例年のワーホリビザ発給数 |
カナダ | 6,500人 | 2019年度ワーホリビザ発給数 |
イギリス | 1,000人 | 2019年度ワーホリビザ発給数 |
アイルランド | 800人 | 2019年度ワーホリビザ発給定員数 |
英語圏に渡航するワーホリ学生は、約22,000人。なお、この数字に学生ビザによる語学留学生、公用語が広東語と英語である香港、低コスト・短期間で語学留学できると近年人気のフィリピン、英語公用語の国マルタ共和国などは含まれていません。
まとめると
上記英語圏渡航者数の合計は、日本の大学が把握している英語圏への留学生約51,000人+ワーホリ生約22,000人+その他英語圏への留学者数=最低でも毎年73,500人以上の学生が英語圏に留学していることになります。
日本人の海外留学が年々減少していると言われている昨今ですが、これだけ多くの人たちが毎年英語圏に留学しているというのが現状です。将来何かしらの英語に関わる道を選ぶことを考慮した場合、ライバルがこれだけいるということを認識しておいたほうが賢明でしょう。

有能な帰国子女や外国人
あなたのライバルは日本人留学生だけではありません。英語圏育ちの帰国子女、有能な外国人の方々も少なくありません。英語やその他各々の母国語を操りながら、日本語を流暢に話すバイリンガル、トリリンガルな猛者もたくさんいます。
私の友人知人だけをみても、英語を母国語とするネイティブスピーカー、ネイティブではないが流暢な英語・母国語・日本語と数カ国語を駆使するツワモノが大勢います。もはや語学力だけでいうならば、並みの日本人では到底敵いません。
英語を駆使してワールドワイドな仕事がしたいのであれば、あなたのライバルは帰国子女や外国人と認識しておくべきでしょう。

留学経験のない英語上級者
留学経験がなくても英語が得意だという人も腐るほどいます。仕事を通して英語力を磨いてきた方、外語大学生または出身者、インターナショナルスクールの学生または出身者、外国人の友人知人と交流が盛んな方など、語学猛者は腐るほどいます。
正直なところ、読み書きだけなら遊び半分で語学留学している人たちよりも、このような方々のほうがよっぽど語学力が高いと言えます。ただ単にワーホリ留学して英語できる感に浸って満足していると、帰国後に「留学してたのに英語力大したことないね」となりかねません。
ビジネスシーンで求められるのは語学力だけではありませんが、最低でも彼ら/彼女らと肩を並べる程度のスキルが必要だということは言うまでもありません。

己を知る
次にあなた自身について分析してみましょう。あなたの英語力は本物ですか?
留学経験ありでTOEIC700点未満は評価に値せず
英語力はひとくくりにTOEICスコアにだけでは測れるものでもなく、TOEIC900点をとれる人間が流暢に英語を話せるとは言い切れません。しかし、日本の世間様はそのようには見なしてはくれません。
知人の転職コンサルタントによると、留学経験があってもTOEIC700点未満程度だと、多くの企業が「本当に英語使えるの?留学中何してたの?」と考えるとのこと。仮に英語がべらぼうに話せたとしても、留学期間が1~2年程度でロースコアだったりすると、大した語学力は持っていないだろうと高を括られてしまうことも多いようです。

ワーホリ留学に対する期待値は低い
ワーホリ留学が悪いわけではありませんし、否定する気もなければ、レベルが低いとも思いません。しかしながら、こちらに関しても世間の見方はとても厳しいのが現状です。
下はある転職紹介会社のアンケートの一部を抜粋したものです。ワーキングホリデーと正規留学とでは、認識が異なるということがお分かりになるかと思います。ワーホリはあくまで語学や異文化を学ぶホリデー程度の認識なのでしょう。
ですから、ワーホリ留学生は、「ワーホリだけどしっかり勉強してきた」という、能力なり数字なりの説得力のある裏付けが必要なのです。
Conclusion
いかがでしたでしょうか。
何事も楽しんでやることが大事なので、型にはまって馬鹿真面目に勉強することが良いわけではありません。しかしながら、実社会では多くの語学猛者がひしめいており、最低限の語学力が求められます。ですから、「英語を駆使することは当たり前」という状態まで、英語力を高めることが必要不可欠です。
実際に世界で当たり前のように英語を使用している日本人は、間違いなく死ぬほど英語と向き合った時期があります。冒頭で述べたように、将来英語を使う仕事がしたい、海外で働きたい、国を問わずグローバルな仕事に携わりたいと考えているワーホリ留学生の皆さんは、覚悟を決めて、褌を締めなおして頑張りましょう。
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