みなさん、スラマットゥンガハリ。
旅好きの方、バックパッカーの方であれば、マレー半島を鉄道で縦断してみたいと一度は考えるのではないでしょうか?
僕もその昔、バックパッカーのバイブル「深夜特急」を読んで、マレー半島鉄道縦断にインスパイアされた者の一人です。
そこで今回は、実際にマレー半島(クアラルンプールからバンコク)を鉄道で旅した筆者が、縦断方法・行き方をそっとシェアいたします。
マレー半島縦断ルート 概要
まず、俗に言うマレー半島縦断とは、タイの首都バンコクとマレー半島の最南端のシンガポール間を縦断することをいいます。
鉄道での縦断方法は、バンコク発でマレー半島を南下する方法と、シンガポール発でマレー半島を北上する方法の2通りがあります。
鉄道の場合、1つの電車でバンコクからシンガポール(シンガポールからバンコク)まで移動することはできないので、いくつかの駅で乗り換えが必要になります。
バンコクからシンガポール(シンガポールからバンコク)の行き方の大まかな流れと、乗り換え駅(下記太線)は下記のとおりです。
Krung Thep Aphiwat Central Terminal(Bang Sue Grand Station)
(クルンテープ・アピワット中央駅(バンスー中央駅)/ タイ)
↓↑
Padang Besar(パダンブサール駅 / マレーシア)
↓↑
Gemas(グマス駅 / マレーシア)
↓↑
JB Sentral(JBセントラル駅 / マレーシア)
↓↑
Woodlands(ウッドランズ駅 / シンガポール)
上記以外の駅でも、もちろん乗り降り可能です。
例えば、マレーシアのパダンブサール駅とグマス駅の間に位置する、首都クアラルンプールやペナン島の世界遺産ジョージタウンに立ち寄ったり、タイの人気リゾートのホアヒンなどで途中下車もありです。
僕はクアラルンプールに滞在していたので、クアラルンプールのKLセントラル駅からバンコクのクルンテープ・アピワット中央駅まで北上して縦断しました。
ということで、クアラルンプールからバンコク縦断の詳細について下記していきます。
クアラルンプールからパダンブサール
クアラルンプールからマレー半島を鉄道で縦断する際、拠点となるのがKLセントラル駅です。
KTM長距離列車の改札やチケットカウンターは、レベル2(日本でいう3階)にあります。
なお、出発時刻が近づくまでは改札を通過できないため、改札前の待合い席や同じフロアにあるKFCで時間を潰しましょう。
コンビニで買い物、マクドナルドやバーガーキングで腹ごしらえをしたい場合は、レベル1で先に済ませておくと良いです。
出発時刻が近づくとアナウンスがあるので、チケットを見せて改札に向かいます。
切符をオンラインで購入した場合、eメールで受信したeチケットのQRコードで読み取るので、スマホなどで確認ができればプリントアウトは不要です。
改札を通過してプラットホームに出ると、電車番号や車両番号の案内が出ているので、自分の車両の方へ向かいます。
長距離電車ということもあり、車両内には大きなスーツケースやバックパックを置けるスペースもあります。
座席には開閉式のテーブルやコンセントもあるので、長時間の電車移動も快適です。
ただし、車両内は冷房がキンキンに冷えていて、Tシャツや短パンだとかなり寒く感じるので、寒がりでない方も羽織るものやひざ掛けを持参しておくことをおすすめします。
車両内アナウンスはマレー語と英語ですが、次の駅や最終駅のアナウンスが定期的に入るので安心です(上記動画参照:約1分弱)。
ちなみに、C号車の一部がお弁当やスナックの販売ブースになっていて、簡易的な食堂車両になっています。
僕が食料調達をした際は、すでにインスタントヌードルやサンドイッチは完売していたため、購入したい場合は早めに調達しておきましょう。
なお、支払い決済は現金とQR払いのみで、クレジットカード払いは不可です。
運賃・所要時間・運行便数
グマスからパダンブサールは、ETS(Electric Train Service)と呼ばれる電車が運行されていますが、ゴールドとプラチナの2つの種類があります。
それぞれの、運賃・所要時間・運行頻度は下記のとおりです。
Gold | Platinum | |
---|---|---|
運賃 | 75リンギット~ (約2,420円~) | 100リンギット~ (約3,230円~) |
所要時間 | 5時間48分 | 5時間28~33分 |
運行便数 | 1日1本 | 1日4~5本 |
プラチナはゴールドよりも運行便数が多く、所要時間も20分程度短いですが、料金が少々高くなります。
チケット料金は曜日や時間帯で異なり、週末(金土日)は高くなります。
Goldは早めに完売しがちなので、Goldが良い方は早めにオンラインで購入しましょう。
参考までに、僕が利用した電車(Gold)の詳細は下記のとおりです。
なお、パダンブサールでバンコク行きの列車に乗り換える場合、16:30(マレーシア時間)くらいまでにパダンブサールに到着する必要があります。
上記の電車であれば、余裕を持って乗り換えができ、パダンブサールで暇を持て余すこともないのでちょうど良いかと思います。
マレーシア・タイの国境の街 パダンブサール
ETSはマレーシアとタイの国境の街、パダンブサールが最終駅となり、ここでタイ国有鉄道(タイ国鉄)に乗り換えます。
パダンブサール駅には、マレーシア側とタイ側と国境を挟んで2つの駅がありますが(下記Googleマップ参照)、マレーシア側のパダンブサール駅で下記の全てを行います。
パダンブサール(マレーシア)駅にて
- ETSを降車
- マレーシア出国手続き
- タイ入国手続き
- タイの寝台列車に乗車
駅のスタッフの案内もあるので、移動や手続きに迷うことはないので安心です。
パダンブサール駅構内
パダンブサールの駅構内には、食堂、プリペイドSIMカードやハイヤーのブースがあります。
食堂ではナシゴレンなどのマレーシア料理のほか、スナックや飲み物も販売しているので、寝台列車で食べるものも調達できます。
支払い決済は、マレーシアリンギットとタイバーツの両方で支払うことができますが、クレジットカード払いは不可です。
タイで使えるプリペイドSIMカードのブースは、食堂入口付近にあります。
7日間データ容量無制限で使えるSIMカードは、28リンギット(約900円)でした。
なお、マレー半島縦断をするのであれば、下記のようなシンガポール・マレーシア・タイで使えるアジア周遊用のSIMカードが手間がかからず便利です。
アジア周遊用のeSIMが良い方は、下記の記事に詳細をまとめてありますので、是非あわせて参考にしてみてください。
なお、僕は楽天モバイル使用につきSIM購入が不要なので、まったり食事して出発時間を待ちました。
楽天モバイルやahamoユーザーであれば、事前申し込み、事前設定、追加料金なしで、日本と同じように、シンガポール・マレーシア・タイでスマホを使うことができるので非常におすすめです。
詳細は下記の記事にまとめてありますので、興味のある方は是非参考にしてみてください。
マレーシア出国手続き&タイ入国手続き
パダンブサール出発時刻の30分前くらいになると、駅のスタッフからアナウンスがあるので、駅構内にあるイミグレーションに向かいます。
まずは、マレーシア出国手続き(上記画像)ですが、全然混んでないのでさくっと終わります。
道なりに進み、次はタイ側のイミグレーションで入国手続きをします。
こちらもさくっと終わります。
入国手続きが完了したら、バンコク行きの列車がくるまで構内の待合室で待機。
待ち時間が20分くらいあったので、誰もいないプラットホームをぷらぷらしてみました(上記動画参照:約30秒)。
出発時刻の5分くらい前に列車が到着したので、車両番号を確認して乗車します。
パダンブサールからバンコク
タイ寝台列車の車両内はこんな感じ。
パダンブサール出発直後は、まだ寝台にトランスフォーム前です。
パダンブサール駅を出発し30秒ほどでタイ側に入国したかと思われるが、進行方向と逆を向いていたので、いつ国境を越えたのかまったくわからず(上記動画)。
あっけなく国境越えをしてしまったので、国境越えを味わいたい方は進行方向を見ておきましょう。
タイ入国後、ハートヤイ駅を超えたあたりで、売り子の方々が登場し車内販売が始まります。
色々な食べ物や飲み物がありますが、僕は好物のチキン×2とスティッキーライス×2を購入(上記画像)。
これでたったの90バーツ(約380円)。ライスは1個10バーツ(約42円)、チキンは1個35バーツ(約147円)。
チキンやライスの数は、欲しい分だけリクエストできます。支払いは現金のみです。
スティッキーライスは、日本でいうもち米のようなものです。
タイやラオスでは食べる機会が多く、日本人の好みにも合うのでおすすめですよ。
19時くらいになると、タイ国鉄のスタッフの方が、座席を猛スピードでベッドメイキングしていきます。まさに職人芸で、思わず見入ってしまいます。
トランスフォーム後はこんな感じ。
なお、寝台車両内はエアコンが効いているので快適で、カーテンもあるためプライベート空間も確保できます。
夜が明け朝になると、またどこからともなく売り子のおっちゃんおばちゃんが現れ、車内販売が始まります。
僕は大好物のムーピン(ポークの串焼き)×3とスティッキーライス×1を購入。お値段はたったの30バーツ(約127円)です。
腹ごしらえ後は、バンコク到着までまだ時間があったので、先頭車両の方に散歩してみました。
寝台車両は一番後方にありますが、前方の方はエアコンのない座席の車両だったりと、昔ながらのタイ国鉄の雰囲気を味わえます。
タイ国鉄はタイムテーブル通りに運行されないのは有名ですが、予定よりも30分程おした12:30頃に、クルンテープ・アピワット中央駅(バンスー中央駅)に到着しました。
運賃・所要時間・運行便数
パダンブサールからバンコク行きの列車は、下記の1本のみです。
公式サイト以外のサイトで予約すると、余計に手数料が取られたり座席を選べなかったりするので、公式サイトから事前に予約することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
マレー半島を縦断する場合、タイのバンコクからシンガポールに向けて南下するか、シンガポールからタイ方面に北上するパターンがあります。
マレーシアとシンガポールの国境を超える際は、マレーシアのJBセントラル駅で乗り継ぎます。
マレーシアとタイの国境を超える際は、マレーシア側のパダンブサール駅で出入国手続きし、タイ国鉄の寝台列車(マレー鉄道のETS)に乗り換えます。
各列車は早めに予約が埋まってしまうため、あらかじめ事前にオンライン購入をしておきましょう。
その他、タイ・マレーシア関連記事も下記にまとめてありますので、是非参考にしてみてください。